座間殺害・死刑判決 白石被告が唯一、好きだった女性
座間男女9人殺害事件で死刑判決 白石被告が唯一、好きだった女性
神奈川県座間市のアパートで2017年に男女9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交等殺人罪などに問われた白石隆浩被告(30)に対し、東京地裁立川支部は12月15日、死刑判決を言い渡した。
【現場】献花の先にはアパートが…事件発覚後の様子
白石被告は本誌と拘置所で面会した際も死刑判決について達観したように心境をこう語っていた。
「警察の調べでも『しょうがないよね』と言われた。覚悟しています」
何度も重ねた白石被告との面会で事件について、いろいろと質問すると、「それはここでは、話せない」と遮り、
「いくらですか?」と金銭の請求を口にすることもあった。
「殺害した9人の中で、好きな女性はいたのか」
こう尋ねると、白石被告は「好みの女性はいましたよ」と笑顔で話した。しかし、詳しく聞こうとすると、「今は言わない」と自ら話を打ち切ってしまった。
白石被告の裁判員裁判が進むにつれ、検察側の細かな質問でその心の闇の奥底が垣間見える瞬間があった。公判で白石被告の好みの女性とは、Xさんであることがわかった。
他の被害者同様に白石被告はXさんをツイッターで「死にたい」の検索ワードから誘い出した。白石被告はXさんから送られてきたツイッターの写真を見て、好意を持ったと明かした。
「外見はかわいらしいと思った。スタイルもよかった。好みだった」
もともと自殺願望のあったXさんは白石被告とのSNSのやり取りで「ワクワクする」などと書いていた。白石被告は実際に会ってみたいという気持ちを募らせ、「ロフトで首を吊って死にませんか」と返信して、Xさんを呼び出し、犯行現場となったアパートに連れ込んだ。
言葉巧みにXさんの悩みを聞き出し、ウィスキーのお茶割りを飲み始めた。Xさんが気を許したとき、白石被告は、部屋のドアのカギを閉め、チェーンをかけた。そして、背後にまわってXさんの首を絞め、失神させたという。白石被告は法廷でこう述べた。
「Xさんと性行為に及びました」 「ロフトベッドにロープをかけて、Xさんの首を吊って殺害した」「その後、Xさんの遺体をスマホで撮影した。Xさんが好みだったからです。他の人は撮影していない」
また、公判では白石被告がXさん殺害後、コンビニエンスストアに向かったことも明らかにされた。
そこで自分用の食事、パスタとともに「キムチ鍋の素」「ジップロック」を買ったことを検察が指摘した。白石被告はその理由を問われ、公判でこう明かした。 「バラバラにした遺体のうち、大きな骨はキムチ鍋の素で煮込んで、肉を削いで、ジップロックに入れ、匂いが出ないようにした」
あまりにおぞましい犯行だった。拘置所で面会した時には、白石被告自身もためらい、言葉にできなかったのではないかと思えてならない。
公判では、被害者が本当に自殺を了承していたのか、が大きな争点となった。白石被告は公判でXさんや他の被害者について「死にたいと言った人はない」と淡々と語っていた。
法廷では自身の弁護士の質問に対し、たびたび「黙秘します」と証言を拒否。しかし、検察側の質問にはしっかりと答えた白石被告。
記者との面会では「被害者への謝罪の気持ち?それは沸いて来ない」と軽い口調で話していた白石被告。だが、かなりの重圧だったのか、法廷でたびたび、顔をしかめるような表情を見せた。そして何人かの被害者には「申し訳ない」と謝罪の言葉を述べていた。
「どんな判決でも控訴しません」 面会では気丈に話していた白石被告。死刑判決がくだされた今の心境は知る由もない。 (今西憲之)
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