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大企業に就職したのに「30歳でリストラ予備軍」、なぜそうなった?

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大企業に就職したのに「30歳でリストラ予備軍」、なぜそうなった?


政府の後押しもあり、副業を推奨する流れが着々と広まってきている日本。しかし副業に熱心になるあまり、肝心の本業の方が疎かになってしまっては本末転倒だろう。

社内評価が悪くなれば不本意にも『リストラ予備軍』として認定されてしまう可能性は他人事ではなく十二分に起こり得るのだ。 

山脇周平さん(仮名)
 山脇周平さん(仮名・30歳・男性)も自分が『リストラ予備軍』なのではないかと不安を抱える副業リーマンの一人。本業の大手の化学メーカー(仮)に勤務する傍ら、副業でメンズエステを3店舗経営、オープンした初月にして約80万円の利益を叩き出した猛者だ。熱心に副業活動に精を出す一方、本業では約700万円という高い年収と毎日定時上がりながら、窓際族という立場に甘んじている。今回、そんな彼に入社後の経歴と現在の状況、社内評価ついてご自身の口から説明してもらった。 「まず、このまえのSPA!は笑いました。ここに載ってること、全部自分に当てはまるんですもん」  そう言って山脇氏が見せてくれたのはSPA!12月17日号の特集

「OVER45 リストラ回避術」内でのアンケート結果だ。  

Q あなたの会社の「リストラ予備軍」の特徴は? (複数回答) 

1位 能力不足でまかせられる仕事がない 50票
 2位 就業中に何をしているかわからない 45票
 3位 仕事の質に対して給料に割高感がある 39票 

4位 目標未達や仕事上の手抜きが目立つ 33票 
5位 これ以上出世できないのが公然の事実 28票 
6位 職場でのネガティブ発言が多い 24票 
7位 若手社員と思考にギャップがある 18票 
8位 その人がいなくても仕事が進む 15票 
9位 身だしなみに無頓着 9票 
10位 キャリア研修などの対象になっている 6票 
11位 本業よりも副業に精を出している 3票 


対象/人事部署および管理職として勤める男女100人(調査期間:11月18~21日) 


上司が仕事を巻き取っていく
  この項目すべてが自分に当てはまると山脇さんは笑いながら、自身のキャリアについて語ってくれた。 「最初の4年間は本社で総務系の部署に配属され、全社の調達関連の管理のような仕事をしていました。現在は、企画系の仕事をしています。周りが理系出身ばかりのなかで完全に場違いみたいな立場だったので、仕事に必要な知識で大きく出遅れていると入社してすぐに気づいてからは、もう全然仕事をしていなくて。私の仕事を上司がいつの間にか巻き取っていることもありますよ。それこそ社内評価でいうと、7段階中で3を連発していますね」 

 モチベーションの低下から現在の立場に落ち着いていると語る山脇さん。こういった問題は、本人の意欲だけに依るものと断定するにはもう少し根が深い。企業の人材育成の仕組みがしっかりと整っていないことも少なからず関係していることも多いのだ。現に山脇さんは社内教育についてこう語っている。 「うちの会社だと、営業等は昔から培われた教育の仕組みがあります。もともと本社勤務は現場を経験した人が本社に来るという流れがあったようなのですが、僕の時から実験的にいきなり本社に配属するという試みを始めたみたいなんです。なので、本社系の仕事の新卒への教育の仕組みがなく、最初から放置状態みたいな感じでした。現場部門を経験してきた人であれば見えるであろう仕事もイメージがつきづらく、モチベーションが上がらないです」  

このような窓際とも呼べる立場に置かれた方は山脇さんだけではない。同じ会社に勤める50代の男性社員の中にも何もせずに年収2000万円近くもらっている人が一定数いるそうで、Windows2000と呼ばれ社内でも問題となっているそうだ。  

しかし、そうした社員を養う体力があることからもわかるように、山脇さんの勤めている企業は非常に業績もよく安定した企業なので、当面はリストラの心配もないように思える。それでも山脇さんが『リストラ予備軍』となることに一抹の不安を覚えるのにはある理由があった。

会社を信用していないから、本業の「やる気」が出ない

「うちの会社のビジネスモデル自体が、自社商品の特許が切れたら、一気に収入が減るんですよ。だから常に新しい商品を開発していかないと成り立たないビジネスなんです。それでもって、うちの会社は10年前くらいに特許切れで非常に経営状態が危うい時期があって、立て直しのために千人くらい早期退職を募り人件費削減を行ったんです」  


人員削減の結果、浮いた費用を研究開発費用へと回すことで会社は立て直しをはかる。10年前の危機はこうして乗り越えられたそうだ。しかし、その先はまた同じ流れを繰り返すかもしれない。もしかしたら次の特許切れのタイミングで自分がリストラの対象になるかもしれない。そんな深刻な危機感を山脇さんが覚えているとしても何ら不思議ではない。そうした環境で働くうちに、山脇さんが副業を始めたきっかけはある種、社会に対する不信感からきていた。 

「リストラの過去のこととかもあって、最初から会社のことを信用していないんです。国が発表した老後2000万問題もそうですけど。普通に考えて、今の時代には終身雇用とかあるわけないなって思っているし。自分で稼ぐしかないんですやっぱり。だから本業もやる気ないんですよ別に。出世とかも興味がありません。自分で稼ぐ力を身に付けたい。そうなるまでにタイミングよくリストラ募集があって、早期割増退職金をがっぽりもらって退職できたらいいな(笑)」  

だが、「やっぱり安定収入は欲しいですけどね」と山脇さんは語る。そこには会社との信頼関係を充分に構築することができなかったことによる、矛盾した感情が見てとれた。  

リストラを恐れて副業を始めるか、本業に精を出すかは人それぞれ。間違いのない選択をしようとすることよりも、自分の選択を正解にするために努力することのほうが、現代のサラリーマンにとっては重要なのかもしれない。