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なぜそこまで残クレを勧めるのか?」元ディーラー営業マンが明かす、売る側の本音と知られざるリスク

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なぜそこまで残クレを勧めるのか?」元ディーラー営業マンが明かす、売る側の本音と知られざるリスク





なぜそこまで残クレを勧めるのか?」元ディーラー営業マンが明かす、売る側の本音と知られざるリスク

10/27(火) 8:54配信



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SPA!


※画像は生成AIによるイメージです(日刊SPA!)

 残クレと聞くと、SNSを賑やかせた「残クレアルファード」という歌が真っ先に浮かぶかと思います。残クレ利用者を的確に捉えた内容で私自身も納得しましたが、車を売る側の新車ディーラーの営業マンはどう思っているのか、という部分はあまりフォーカスされていない印象です。

 残クレという車の買い方自体は20年以上前からありますが、目立ってきたのは2010年代からという印象。今も昔も残クレと営業マンを取り巻く環境は変わっていません。


 そこで今回は、売り手側の気持ちを元ディーラー営業マンが解説します。


月々の返済額を抑えられる「残クレ」の仕組みと落とし穴

 残クレの商品性をあまり知らない方に向け簡単に説明します。残クレはディーラーが提供するローン商品のひとつです。数年後(主に3〜5年後)の車の想定下取り価格(=残価)をあらかじめ最終回の支払いに据え置くことで、毎月の返済額を抑えられる仕組みになっています。


 ここだけを聞けばいい商品に感じますが、そこには大きなトラップがあります。契約期間の最終回で「車を返却・買取・新しい車に乗り換え」のいずれかを選ぶ必要があり、さらに返却するにしても走行距離や傷や凹みの有無に応じて残価が保証されず追徴金を支払う必要がある、ひどい場合は返却できずに買取を余儀なくされるなど、負の側面もある商品なのです。


営業マンが残クレを勧めたがる“2つの理由”

 それなのになぜ、営業マンは残クレをお客様に勧めるのか。その理由は「販売目標の達成」と「将来の見込み客を容易に作れること」という2点に絞られます。


 残クレで車を販売すれば提携しているクレジット会社から手数料を貰えるので、会社の利益に繋がります。また、残クレ契約なら、最終回支払い時点で必ず乗り換え商談ができるようになります。成約に結びつかないとしても、商談ができるということは契約の可能性があるということになりますので、営業マンはできる限り残クレで契約できるように話を進めていくのです。


買う側にもメリットはある

 販売側にメリットがあるように見える残クレですが、購入する側にももちろんメリットはあります。近年は車の価格が上昇しているため、現金や普通のローンで車を買うとなると大きな負担が生じます。


 同じ車格の車を買うにしても、10年前と今では100万円以上も高くなっているのが実情。そのため、最終回に残価が据え置かれて毎月の支払額が軽減される残クレは、魅力ある商品です。


営業マンが顧客に話さない「残クレの注意点」

 ここまで読んでいくと「残クレ=いい商品」で終わるかもしれません。最後に注意喚起も含めた背景を解説します。残クレ契約時に営業マンは顧客に注意事項を説明します。


 その注意事項とは、ざっくり説明すると以下の3点です。


・定められた走行距離をオーバーすると1kmあたり○円の追徴金が発生する

・一定範囲の傷や凹みがあるのは問題ないが、多すぎる場合は修理費用相当分の追徴金が発生する

・事故などでフレームに修復歴がある場合、車の返却ができなくなる


 いずれも“普通に使っていれば”問題はありませんが、3つ目の条件については、車の購入者に過失のない事故で修復歴がついた場合でも適用されます。ここが意外と重要なポイントで、営業マンが説明しなくても問題がないのです。


万一のときに被害を被るのは、車を買う人自身

 マンガの「正直不動産」の主人公のように、メリットもデメリットも包み隠さず説明する営業マンなら良いのですが、必要最低限の説明しかしなかったり、メリットばかり説明する営業マンと商談してしまった場合、万一のときに被害を被るのは車を買う人自身です。貰い事故に遭う確率は低いかもしれませんが、これは最大のリスクと捉える必要はあるでしょう。


「残クレにすれば毎月○万円で新車が買える!」とテンションが上がっているお客様に対し、水を差すようなことを営業マンが言うでしょうか。残クレ提案時に「リスクが大きいですがオススメです!」という営業マンもいるかもしれませんが、きっと少ないはずです。少なくとも私がディーラーを退職した後、車の購入を検討する際に出会ってきた営業マンにはいませんでした。


 毎月の支払額に一喜一憂するのは良いことですが、どんな商品にもメリットとデメリットがあるということは、消費者として理解しておくことを強くお勧めします。SNSが普及している今だからこそ、口コミやレビューに簡単に触れられます。自分自身を守るために情報収集は入念にしましょう。


文/宇野源一


【宇野源一】

埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801