学生サイバー防犯サークル、設立4年半で1万件の詐欺サイトを閉鎖に追い込む…顧問の教授「自ら課題を見つけ地域に働きかける姿は心強い」
学生サイバー防犯サークル、設立4年半で1万件の詐欺サイトを閉鎖に追い込む…顧問の教授「自ら課題を見つけ地域に働きかける姿は心強い」

学生サイバー防犯サークル、設立4年半で1万件の詐欺サイトを閉鎖に追い込む…顧問の教授「自ら課題を見つけ地域に働きかける姿は心強い」
4/25(土) 15:20配信
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読売新聞オンライン
新入生にフィッシング詐欺サイトの見分け方を教えるSETOKUのメンバーら(高松市の香川大で)
香川大(高松市)の学生で作るサイバー防犯サークル「SETOKU」が、設立から4年半で約1万の詐欺サイトを閉鎖に追い込むなど成果を上げている。大学と警察の連携がきっかけでスタートし、学生間でノウハウを引き継いで実績を積んできた。サイバー防犯の分野では、SNSなどでインターネットに親しみのある若者らが力を発揮している。(飯田拓)
【写真】サイバー防犯ボランティアの団体数・内訳
ネットパトロール
「右の画面と左の画面、どこが違うか探してみて」。4月中旬、香川大幸町キャンパスの教室で、SETOKUの「隊員」の学生が新入生にモニター画面を示した。大手小売店で顧客がログインする時に使う本物のサイトと、よく似た偽物のサイトが表示されている。
メッセージなどで偽サイトに誘導し、クレジットカード番号などの個人情報を盗むフィッシング詐欺サイトの判別だ。新入生は見分けるポイントを教わり、偽サイトを見つける実際の作業に取り組んだ。
サークルは2021年11月、香川県警と協定を結んだ大学からの呼びかけで設立された。名称は「SEcurity Team Of Kagawa University」の略で、46人が所属する。
主な活動はフィッシング詐欺サイトの監視だ。一般財団法人「日本サイバー犯罪対策センター」が提供する疑わしいサイトの一覧や、SNSの投稿を手掛かりに、サイトを訪れて確認する。アドレスの一部がamazonではなくamozonになっていたり、国内企業を称しながら中国の漢字が含まれていたり、正規のサイトではあり得ない特徴を探す。
偽サイトと判断した場合、グーグルやマイクロソフトなど事業者側に通報し、サイトを閉鎖してもらう。通報は当初、年数百件程度だったが、24年度は約2500件、25年度は約6200件に増え、累計で1万件を超えた。
ネットパトロールの他に、近隣の小学校で出前授業も行う。劇を演じて、オンラインで代金を支払うリスクや書き込みが炎上するトラブルについて伝えており、学校側の評判も上々だ。
文系も活躍
メンバーの8割以上は理系だが、文系学部の学生も参加する。教育学部2年の藤原慈丈(しげたけ)さん(19)は、最高で月300件を通報したことがあるエースの一人だ。小学校教員を目指しており、「情報セキュリティーに興味はなかったが、小学校で教えられると聞いて参加した。メンバーと競い合っているうちに面白くなった」と振り返る。
代表の創造工学部3年、佐藤璃音(りおん)さん(20)は「私たちの活動が、サイバー犯罪の手口や危険性について知るきっかけになればうれしい」と言う。顧問の後藤田中(なか)教授(教育システム情報学)は「学生たちが自ら課題を見つけ、地域に働きかける姿に心強さを感じる」と話す。
若い力で
警察庁の統計によると、サイバー犯罪の防止や啓発活動に取り組むボランティアは25年末で全国に332団体。15年末(224団体)からおよそ1.5倍に増えた。
このうち、大学が105団体(32%)、高校などが113団体(34%)、中学が14団体(4%)あった。合わせて全体の7割を占め、若い世代が主力となっている。
福山大(広島県福山市)の「CyPat FU」(サイパット エフユー)は、未成年の犯罪被害防止を目的に活動する。学生はX(旧ツイッター)で売春や薬物に関する投稿を探し、通報している。
摂南大(大阪府寝屋川市)では、情報関連のゼミ生が中学生ら向けの防犯教室を開き、SNSの注意点や闇バイトの危険性などについて話している。
サイバー防犯に詳しい情報セキュリティ大学院大の稲葉緑教授は「情報リテラシーの高い人材を育てるよい仕組みになっている。若者の詐欺被害も目立つ中、防犯意識の高い大学生が増えれば、友人らへの波及も期待できる」と評価する。
一方で「深入りして本人が犯罪に巻き込まれる危険もある。何をどこまで任せるか、周囲の大人も関わって判断することが大切だ」と話した。
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